直訳すると、第二の意見という意味です。治療内容・手術方法等に関しての主治医以外の医師の意見を意味します。
医師から説明されても、情報や専門知識が少ない患者さんや家族にとって、手術方法の選択ができず、不安を覚える場合があります。
治療内容・手術方法に関して疑問や不安がある場合、患者さん自身が納得できるまで、徹底的に医師に相談し、特に近視手術と言う命に次ぐ大切な目をゆだねる場合は、慎重なセカンド・オピニオンの検討をお勧めします。しかも、近視手術は医療の新分野であり、意見がわかれる事や、時に、セカンド・オピニオンを求められる医師の知識が、不正確な場合があるからです。
セカンド・オピニオンの不幸な例について述べます。近視手術の際のレーザー照射ズレについて、セカンド・オピニオンを求められた権威ある医師複数が、照射ズレを不適切に判定した為、誤解が生じ、訴訟になりました。
近視手術の際、レーザービームは、瞳孔を中心に照射するので、照射ズレを判定するには、瞳孔と照射後の変化を示す赤色表示のリングを重ねた図において判断しなければなりません。ところが、瞳孔の位置を表示しないまま、角膜表面の屈折度が等高線状に色分けされた図で照射ズレを判定すると、角膜は元々非球面を呈しており、照射後は例外なく非球面性が増加します。非球面性が増加した図を根拠に、照射ズレを判定したのです。調査したところ、判定方法について説明した英文の教科書の著者が、判定方法が不適切であったことを認めました。不運なことに、同著書の和訳を、著名な大学教授が行っていましたが、内容は過ちを繰り返していました。又某医院のホームページに、現在、レーザー照射のズレを、不適切に判定した図が載っており、誤解による不幸を繰り返さない為に、訂正されるように望みます。
セカンド・オピニオンを求めた患者さんは、左右の目の手術を別々の医院で受け、当初、視力が出ないのは、レーザー照射ズレが原因と主張しました。裁判で、照射ズレを適切な方法で判定した結果、視力が出ないと主張した目に、照射ズレがより小さいことが明になりました。
裁判は、一審で患者さんは全面敗訴。二審で説明義務違反を勝ち取りましたが、医師の手術ミスは認められませんでした。裁判が終わり10年の歳月が過ぎ,原告にセカンド・オピニオンを与えた助教授は、教授になりましたが、セカンド・オピニオンを受けた患者は5年に及ぶ裁判終了後、更に5年あまり、裁判に負けた医師をネット上でいじめつづけています。セカンド・オピニオンは時によると、「二階に上ってしまった人に梯子を外した状況を作り」、犠牲者を生む事があります。セカンド・オピニオンを求める人も、与える人も、慎重でありたいものです。