パーク近視手術は、強度近視の矯正に適しています
近視レーザー手術は、角膜をレーザーで削ったり蒸散させたりして、視力を矯正します。強度近視(-5.0D~-8D)や最強度近視 (-8.0D ~)を矯正するためには、軽度・中度の近視よりも、角膜を多く矯正しなければなりません。矯正する度合いが強ければ強いほど、角膜は厚い方が有利です。
なぜパーク近視手術が強度近視に適しているの?
それはパーク近視手術が、角膜をできるだけ厚く残して手術ができるからです。
近視レーザー手術は、5層になっている角膜の外側から3番目の「実質」にレーザーを当てます。1番外側の上皮の存在は邪魔になるので、取り除く必要がありますが、その方法は、【1】メスで上皮をこすり落とす、【2】カンナでフタを作る、【3】レーザーで蒸散させる、3通りがあります。
【1】メスで上皮をこすり落とす場合は、均一にこすり落とせないことや、【2】カンナでフタを作る場合は、必要な「実質」層までフタとして持ち上げてしまうことがあります。
そのため、角膜をできるだけ厚く残しながら、上皮を取り除くには、【3】レーザーで必要最小限、蒸散させるのが一番良いのです。
さらに、角膜にカンナをかけてフタを作ると、角膜が弱くなり、片眼に2回以上の手術はしにくくなります。
しかし、パーク近視手術はレーザーを当てるだけなので角膜に負担が少なく、複数回の手術を行うことができます。
たとえば1度目の手術では、「強度近視」から「中等度近視」に矯正し、その後、角膜が十分に回復した頃に(通常6か月以降)、2度目の手術で、「中等度近視」から「裸眼」で生活できるように段階的に改善させます。
パーク近視手術以外では、強度近視の手術はできないの?
最強度近視と言われる-10Dより強い近視の視力回復には、フィヨドロフ博士が開発し、遺した2つの選択肢があります。
1つは「有水晶体眼内レンズ(別名:フェイキックレンズ) 」で、2つ目がパーク近視手術に限られているのが現状です。
近視矯正のために、白内障でないのに、眼の中にレンズを入れるような施術を、最善の選択として勧めることはできません。眼内レンズは、白内障の手術としては一般的になりましたが、眼内炎による失明リスクを伴います。白内障の場合は、屈折調節をする水晶体が濁ってしまうので、水晶体そのものの交換はやむを得ない手段です。