レーシックの際、フタをフェムトセカンドレーザー(FL)によって作るイントラレーシックの問題点について考えます。
イントラレーシックの手術ビデオで判断できると思いますが、FLでフタを作る際、角膜細胞が泡状の形態変化を次々と遂げ、細胞の原形質、核が部分的に消失、場合によっては核の一部のDNAが変異残存する可能性において、生体の防御因子としての存在である熱性たんぱくheat shock proteinの動向調査が必要です。動物実験レベルの基礎研究報告は少なく、時が解決するでしょう。
イントラレーシックの問題点を10年前にバークレービジョン研究所が指摘していたので、私なりの注釈を( )内に付記し、意訳した日本語訳を紹介しました。詳細は原文でチェックして下さい。→http://www.peakvision.com/Lasik/bladeless.htm
- フタヲ作るのに時間がかかる(以前は90秒ほどであったが、数10秒に短縮される)。
- フタは時としてスムーズにめくれない(泡状の変化の連なりなので、線維状の組織を所々引きちぎる形でフタをめくり、フタの裏側が、月面の様な凸凹状となる。FLは組織を切っているのではなく、非連続的に蒸発させるので、各種高次収差増加の可能性もあった為、より緻密に泡を形成させるように改良をした)。
- 1との関連で、フタを作る為に眼球を固数10秒固定しておかなければならないので、輪状の結膜下出血が見られる(但し、イントラレースで使用する吸引力は、レーシックの2/3程度、40㎜Hgなので、網膜剥離や出血につながる可能性は小さい)。
- フタの形が角膜実質の土台部分と比較し小さめに作られるので、術後のフタのすわりが落ち着かず、フタに糸をかけて固定が必要な場合がある(、瞳孔が6㎜以上になると、高次収差が増加する。暗いところの視力が低下する場合があるので、フタを大きく作製し、改良した)。
- フタの作製との関連で、視力の安定に時間がかかり、術後1週間痛む場合がある。
- 術後にグレア(光がまぶしい)現象を強く訴えるケースがある。(フタを大きくして改良した。)
- 術後に炎症反応を起こした例がある(5.6.7は詳細を検討しないと判断できない)。
- DLKの発症は少ないが、フタがずれるとDLKを合併する可能性がある。
- レーシックと比較し、視力の改善や術後の合併症が少ない、といった指摘には、具体的な報告待ちです。