「最近のよくある質問、切らないレーシック VS ICL 」
ICLとの比較で次のような質問を受けて回答しました。
1. 術後の紫外線対策について
Q他院の医師より、切らないレーシック・パーク法は術後のヘイズ(角膜混濁)を防ぐために、半年間にわたる徹底した紫外線対策(専用レンズの着用等)が必要で、これが日常生活や仕事において負担になるとの説明を受けました。先生の医院では、術後どの程度の期間、どのようなレベル(外出時のみ、あるいは室内でも必須か等)の対策を推奨されていますでしょうか。私のライフスタイルとの両立を判断するため、具体的なイメージをご教示いただけますと幸いです。
A切らないレーシック・パーク法で、術後のヘイズ対策を半年間行うというのはフェイクニュースです。そのような必要は一切ありません。
2. 角膜の再生と厚労省の知見について
Q前回、術後半年で480μmまで回復するとの心強いお言葉をいただきました。これは1993年からの厚労省の知験(PRK)において、私のような強度近視の症例でも一般的に見られる「上皮の再生」によるものと理解してよろしいでしょうか。
A厚労省の治験によるPRKは上皮を物理的に擦り落とす方法でした。切らないレーシックはレーザー照射だけの作用ですのでボーマン膜の再生を経て上皮の厚さが回復します。
3. 緑内障検診における眼圧測定値の補正について
Q PRK後の眼圧測定は角膜が薄くなるので低い値を示すのは本当ですか?
A本当です。きらないレーシック・パーク法では、上皮再生が完了するまでの約6カ月、眼圧が正常値より10ミリ水銀柱低い値を示し、その後正常値に戻ります。この疑問は全て1993年から10年間かけて厚労省が行ったPRKの治験報告であきらかにされております。
Q「他院にて、『極度近視の人が角膜を削ると、数年後に残った薄い角膜が眼圧に押されて変形し、近視が戻るリスクがある』との指摘を受けました。一般的なフラップを作るレーシックと異なり、パーク法であれば、長期間経過しても角膜の形状が安定し、近視戻りが起きにくいということでしょうか?長期経過観察の結果などございましたら教えていただけますでしょうか?」
A切らないレーシック・パーク法はエキシマレーザーのみによる作用を角膜に実施し、刃物やブラッシングなどの物理的作用を与えないので、角膜を顕微鏡で観察した場合、上皮の下層にあたるボーマン膜が再生すると考えられております。ボーマン膜は約6ヶ月で再生し眼圧値と角膜構造を安定化させます。当院の知見は1993年来10000症例以上です。
4. 白内障手術への影響について
A将来、白内障の手術が必要になった際、私の「厚みのある角膜」を削っていることが、レンズ度数計算の精度にどの程度影響するとお考えでしょうか。先生からいただく「手帳」のデータがあれば、通常の未手術の方と遜色ない精度での手術が可能と考えてよろしいでしょうか。
Q過去にレーザー角膜矯正手術を受けた患者様の白内障手術では、角膜手術前の目の奥行や角膜カーブのとんがり具合のデータが挿入する白内障レンズ度合の算定に参考になります。しかし角膜厚の影響を受けた報告はなく、1993年からの経験でもありません。「手帳」のデータがあれば、レーザー角膜矯正手術を受けていない患者様の白内障手術と同様の手術が可能です。最近は術中に、挿入するレンズのデータ測定も可能になり、多くの施設で採用されております。
結論を述べますと、アイシエルICLは40年前に私自身の近視手術を執刀して下さったロシアのS.N.フィヨドロフ博士が2000年に作った素晴らしいレンズです。唯一の懸念はレンズを眼内に挿入した際の眼内炎リスクです。2000~6000例に1例で、0.01%以下と稀ですが、角膜移植では救えない完全失明のリスクがあります。統計上は白内障手術の際の眼内炎による失明リスクに準ずると思います。