2004年(平成16年)10月11日 毎日新聞より抜粋
病院がわかる 視界開け「バラ色人生」
近視の矯正手術を受けた後の世界は、明るく美しかった。東京都内の会社役員、晴子さん(44)=仮名=は「葉っぱひとつ見ても、複雑な色合いに感激した。人生そのものがバラ色に思えました」と振り返る。
小学生の頃から強い近視に悩んでいた。裸眼で0.01の視力は、コンタクトレンズで矯正しても0.8.木の葉は、のっぺりした緑一色にしか見えなかった。昨年10月に手術し、現在の視力は1.5.それまで全く経験していない視力を得た感激は大きい。
晴子さんが受けた手術は「LASIK(レーシック)」と呼ばれる。角膜表面の一部を薄くスライスし、熱による変性をほとんど起こさないエキシマレーザーで角膜の実質を削り、近視や乱視を治す。角膜表面を削らないため、痛みや炎症が少なく、視力の回復が早いのが特長だ。費用は両眼で50~60万円かかる。
国内のコンタクトレンズ装用者は約1500万人。パソコンを使う職場の増加もあり、近視者は増える一方だ。LASIKのほか、アルコールで角膜表面をはがしてレーザー光を照射する「LASEK(ラセック)」、睡眠時に特殊なコンタクトレンズを装着して角膜の形を矯正する「オルソケラトロジー」などいくつもの矯正方法が開発されている。