体験談:PRK
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島田 眸 さん (ジャーナリスト カメラマン・57歳)
<PRK 術後2年>
データ
裸眼
矯正視力
近視度
乱視度
軸
術前右眼
0.2
1.0
-2.25D
術後右眼
1.0
1.2
-0.5D
術前左眼
0.2
1.2
-1.75D
術後左眼
0.9
1.2
-0.5D
私のPRK体験
フリーランスのジャーナリストは、カメラマン役もこなさなければならないし、さらにこれからは、TVカメラもプロ並に回せなければ、一生続けられる面白い仕事にはありつけそうにない。冷酷な市場原理が支配する競争の世界だから、弱点があったら負けだ。メガネは弱点だった。いざ出撃というときにメガネが見当たらず、頭に、かっと血がのぼって、茫然自失、メガネ探しに狼狽するなどといった惨めなことも何度かあった。潮風を浴びる船上取材(私は小型船舶一級船長なのだ)や雨の日には、メガネの汚れは惨めなまでに行動を制約する。
意を決して、カメラのピントを合わせる右眼のPRK手術をお願いしたのが平成6年4月。しかしどこか中途半端な感じがして、9月に左眼も手術していただいた。月が、それまでのモヤモヤから、少年の頃のようにま−るく見えたのは感動であった。満月の夜などじっと月を凝視していると、月の世界に吸い込まれてゆくかのような気になる。
☆そして阪神大震災
平成7年の1月、阪神大震災の惨状に、私は、いてもたってもいられなくなった。きれいごとの報道記者としてではなく(取材依頼がなかったということもあったけれど)、一市民として、阪神にポンコツのわが愛車を走らせた。 阪神の被災地では、年寄りと、ペットがいるために避難所にも入れず、また愛するペットをどうしょうかと途方に暮れる人たちの悲惨さがとくに目についた。
ペットたちは、もっと悲惨だった。猫について、私は猫の本も出版するほどよく知っていた。 非常時、ペットの存在は、非常な重圧になる。といって、どこかに捨てたり、処分(役所で殺すこと)をしたりしたら、物理的な生活再建は成功したとしても、一生後悔の念に苦しむことになるのだ。私は猫を一時預かりしたり、新しい飼い主を探して、被災者が生活再建に全力を尽くせるよう支援する活動を開始した。
真冬の六甲山から吹き下ろす風はひどく寒く、節約のためにエンジンを切ったクルマの中では、夜も満足には眠れず、顔を洗う水もない。 ペットがいるために、夏用のテントを張って、公園に避難している家族がいた。中学生の少女のほっペがリンゴのように赤くなっていた。愛するペットと別れなければならない被災者をみるたびに、私は毎日、何度泣いただろうか。
東京に戻ってきても、すっかり涙もろくなってしまっていた。 阪神では、仕事をやりとげたという満足感が全然ない。 被災者と苦しみを分かち合うのがボランティア活動の本領とは言うけれど、引き取ってきた病気猫のウイルスのために、わが家の愛猫が、死んでしまった。また、被災地から運ばれてきた猫ダ二は一時、わが家を恐怖に突き落とした。
大震災は、明日はわが身。メガネは、救難活動や再建の苦労の足伽になる。メガネは、ないほうがいい。
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