手術でメガネがいらなくなるって本当!?:お知らせ

国内初の近視手術専門医院・切らないレーシック
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1989年7月21日

手術でメガネがいらなくなるって本当!?

カテゴリー: メディア紹介 — admin

1989.7.21 週刊朝日 「手術でメガネがいらなくなるって本当!?」

「パイロットには不適」と運輸省

ソ連で開発された近視矯正手術が、日米を中心に急速に広まっている。RKと呼ばれるこの角膜切開手術によって、眼鏡やコンタクトレンズとおさらばした人は国内で3000人、世界で40万人以上ともみられている。が、一方で、運輸省はこの5月から、RKを受けた者をパイロットから排除する方針を打ち出した。

果たしてRKは近視に悩む者にとって福音なのか、それともまだまだ問題があるのか。

消費者問題ジャーナリストの船瀬俊介さん(39)は、このRK(Radial Keratotomy)手術を今年2月末から4月末にかけて右目、左目の順に片方ずつ受けた。左目の手術からもすで2カ月以上たつが、「いま、気分はオートフォーカス。遠くも近くもクッキリ見えて最高です」と喜んでいる。かつて0.04だった右目は、いまや1.5になり、0.06だった左目が1.0にまで回復したのだから無理もない。なにしろ、以前は視力検査表の一番上の大きな文字か何歩も前進しなけれは読めず、大学時代から分厚いレンズの眼鏡を手放せなかった。

手術を受けたきっかけは、、昨年初め、ある会合で、奥山公道医師(41)と出会い、熱心に勧められたことだった。

「手術で近視が治る」という話は以前、耳にしたことがあるし、「下町の赤ひげ」と呼はれていた奥山医師の父とも親しかった船瀬さんだが、最初はやはり半信半疑で、特に、「角膜を切る手術だと聞いてからは怖くて、返事をのらりくらりと引き延ばしていました」という。しかし、消費者運動の活動家であり、好奇心旺盛な船瀬さんは、その後も手術の安全性や効果について、奥山医師らに積極的に“取材”。「すでにアメリカで30万例、ソ連で12万例ほど行われていて、重大な後遺症はゼロ、失明例は麻酔のやりすぎによる1例だけで、これも手術以前の問題だし・・・・、それに、自分自身この手術を受けて近視を治しておられる奥山先生の人柄を信頼したんです」と、今年初め決心したそうだ。

手術の原理はこうだ。近視の大部分は、水晶体と角膜のカーブが強すぎるために起きる屈折異常なのだが、眼鏡やコンタクトレンズのように目の前にレンズを置いて修正するのではなく、角膜そのものを平べったくして屈折率を変えようというもの。図のように、角膜の近視の度合いに応じ、光の通る中心を残して放射線状に4本から18本の切り込みを入れると、眼内圧で角膜のふちが盛り上かり、カーブがなだらかになって正視に近づくというわけだ。

「手術時間は、15分から20分ぐらい。その日は眼帯をして帰りますが、早い人で翌日から眼帯をはずせ、虫歯の手術よりシンプルなんですよ」と、奥山医師はこともなげだ。船瀬さんも、「近くにうまいう-メン屋がありますから、元気づけに帰りに食べてていったら、などと先生と冗淡を交わしながら、あっという間に終わりました。目薬で麻酔をしているからちっとも痛くはないし、メスの先のようなものがぼんやり見えて、いよいよ始まるな、と思う間もなく、綿棒で数十メートル先の天窓を拭いているような、他人事のような感じ。まるで『2001年宇宙の旅』をしているようでした」と、体験を振り返る。

実は同様の手術は、戦前から昭和20年代末にかけて順天堂大学の佐藤勉教授(故人)らによってなされてきた。が、この術式は釣り針のような独自のメスで角膜の内側からも切り込みを入れるやり方だったため、再生不能の角膜の内皮細胞を痛めてしまい、術後数年から10年以上たって、水泡性角膜症で、失明症が続出するという不幸な結果におわっていた。
その後、昭和30年代からはコンタクトレンズが普及しだしたこともあり、この手術自体がタブー化し、忘れ去られていった、ともいえよう。

ペレストロイカで大産業に成長

それが1960年代末、ソ連の眼科医、S・N・フィヨドロフ博士らによる研究、開発で、内皮細胞を傷つけないよう角膜の前面だけに切り込みを施すという、より弊害の少ない新しい術式として甦ったのだ。
日本などと比べ、コンタクトレンズや眼鏡自体、まだまだ一般庶民には入手しにくいソ連では、この技術はあっという間に広がった。
5月末、国際白内障学会のために来日したフィヨドロフ博士の一番弟子、N・A・イワノヴナ女史らによれば、ソ連では、1974年から咋年末までに12万1千例のRK手術が行われたが、それによる合併症は0.08%。その内容はへルペス菌による術後感染症や乱視の発生が主だった。

ソ連には、ここ数年、ヨーロッパや日本からもツアーを組んで患者がくるようになり、このフィヨドロフ式RK手術は年間7千5百万㌦産業に成長。特にぺレストロイカ後は、重要な外貨獲得産業として、ゴルバチョフ政権からも高く評価され、いまではフィヨドロフ博士の研究所は、国内に9つのセンターと2つの手術機械工場を持つに至り、年間22万人を手術する能力を整えたという。
手術室では、ベルトコンベヤーで運ばれてきた患者に対し、5人1組の医師たちが、5分の1ずつ分担した手術の行程を、ポップ音楽を聴きながら処理しているというのだ。

アメリカでは、1978年、学界の専門誌でこの術式を知ったデトロイトのL・ポアーズ医師ら、眼科の開業医たちがとびつき、それぞれの医師が改良を加えながら、ソ連を凌ぐ勢いで広まっている。

日本では、モスクワ留学中にこの手術を知った奥山医師自身が、1983年4月にフィヨドロフ博士執刀による日本人患者第一号となり、自らもその技術を習得したうえで、帰国後、都内にRK手術専門の診療所「参宮橋アイクリニック」を開設した。
奥山医師は、代々医者である同家に伝わる家訓「新しい治療法は可能な限り、自己体験して安全、効果を確認せよ」に基づき、夫人や妹、その夫など、家族や親族十人に同じ手術をし、回復視力の程度の差こそあれ、いずれも成功。同クリニックでの約1200の手術例のなかにも、「こちらの禁止を無視して術後すぐに入浴、飲酒して感染症になりかけた1例を除いて、失敗例も合併症もゼロ」と、胸を張る。
一方、群馬県桐生市の百瀬皓医師は、これより早く、1981年10月から、アメリカ型の術式を取り入れてこの手術を始め、これまでに、やはり1200例を処置しているという。

このほかRK手術を行う医師は関西や北九州に数人いるといわれるが、日本の眼料学界にはまだこの手術の安全性などに批判的な意見も根強いため、名前を出したがらない医師が多く実態がわかっていない。

遠視、乱視の心配 効果に絶対はない

聖路加国際病院の山口達夫・眼科副医長は、この手術が米国で爆発的に広まったとき、サルを使った実験で、角膜表面だけを切っても内皮細胞がやはり一定程度は滅少することを発見、早くから警告していた。
「この手術は確かに効果がある。さらに、手術を受けた人の70~80%の人が、受けてよかった、と思っているデータがあることも無視できない」と、山口医師は一定の効果を認めながらも、次のような、心配される問題点を列挙する。

①角膜のカーブの強さには固体差が大きく、どの程度切れはどの程度よくなるか、というコントロールが困難で、術後も近視の眼鏡をかけねばならなかったり、下手をすれば、矯正しすきて遠視になったりする。
②角膜切開による歪みで乱視になる。
③切開した跡のキズで光が乱射し、グレアと呼はれる眩しさが生じ夜間の運転など難しくなる。
④視力が安定せず、午前と午後にもかなりの差がでる。
⑤切開跡のキズの治りがこれまでの予想以上に遅く、くっついたあとの強さについても十分なデータがない、などだ。

米国の国内追跡調査でも、重大な合併症は3例しか報告されておらず、「おおむね安全」とされているが、山口医師は、「文献上3件で、必ずしもすべて追跡しきれているかどうか」と懸念を表明する。というのも、米国ではRK開始後、数年して訴訟が続出したことや、ユナイテッド・エアラインで以前はパイロットがこの手術を受けるのに奨励金を出しながら、その後、手術自体を禁じ出したこと、米軍では一貫して禁じていること、などがあるからだ。

そうしたなかで、運輸省航空局は局長通達を出して、パイロットの身体検査マニュアルを変更、5月7日からはRK手術を受けていれば即、不合格とみなす措置をとった。国内での、ここ数咋のRKの急速な広がりに対処してのことだという。
この措置を決めた航空審議会航空身体検査基準部会の松崎浩・慈恵医大教授や所敬・東京医科歯科大教授は、それぞれ、「極限状態を想定されるべきパイロットにとっては、まだRKが適性といえる時期ではない」「グレアの問題など、合併掟や副作用の報告が多すぎる」とする。

こうした指摘に対して奥山医師らRK推進の医師らは、「視力の不安定さはふつう3カ月、グレアは良い人でも10カ月で、落ち着き、なくなる。外傷に対する強さも、RKを二回受けたパイロットが激しい事故で顔に衝撃を受けても、目だけは大丈夫だったという報告まである」と、データを挙げて反論。

「それよりも、RKをしたこともない医師ばかりで偏見の多い学会の意向を汲んだ政治的意図さえ感じる。頻繁な身体検査やグレア・チェックで不適格者は十分排除できるのに、最初からすべて不合格にするというのは、この手術への世間の偏見を煽ろうとするものだ」と運輸省側に抗議している。
運輸省航空局航空従事者医学適正管理室は、「決してRKを敵視しているわけではなく、RKを受けた方で問題ないとされる方は、医師の証明資料をつけて大臣判定に持ち込んでいただけば、そこで審議されるわけです」という。が、奥山医師らによれはば、すでに少なくとも20人以上のRK手術を受けたパイロットたちが日本の空を飛んでいる。クリニックでの取材中にも21歳の防衛大生が、術後の検査にきていた。

内証でくる航空自衛隊志願者も

「どうしても航空自街隊で操縦桿を握りたくて」と、大学には内緒でこの手術を受けたそうだ。

故佐藤教授の角膜両面RK手術の追跡調査をしてきた金井淳・順天堂大助教授は、「確かに米国で公表された術後五年間のデータをみても、角膜内皮への影響は案外少なく、われわれが危惧していたほどではなかった。が、それにしても、近視というだけでほかは正常な目を傷つけること自体、私は賛成できない」という。

これに対し、奥山医師はいう。
「私は自分の娘に対しても、親にもらった体だということで、ピアスをすることさえ禁じる人間です。この手術はある程度幅をもって良くなる手術だから、満足がいくかどうかは、やる前に患者がどれだけ理解し、納得するか、なんです。そういう意味で、いま、盛んにいわれているIC(インフォームド・コンセント=患者側に情報を公開しての、手術への同意)が最も大切なものの一つなんです。科学的議論なら大歓迎です。ただ、この手術への中傷や妨害をやめてほしいのです」

百瀬医師は、
「私は眼鏡、コンタクトと並ぶ近視の矯正手段の1つとして、RKを選択的に行っているにすぎない。リスクとメリットを、いつも秤にかけながらね。もし、術後の低矯正や過矯正まで合併症に入れると、30%ぐらい(の不正碓さ)になる」というのだ。

近視というのも、病気というよりは、背が高い、低いというのとおなじ一つの個性だ、という考え方さえある。あとは一人ひとりの判断と哲学の問題だろう。

本誌・本田 雅和

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